天然なあたしは悪MANに恋をする

退学?

そこまでしなくても…いいのに

あたし、先輩の将来を潰してしまったの?

「あ…」

あたしは、先輩に向けて足を動かそうとするとレンに腕を掴まれた

「行くな」

「でも…あたし、先輩の」

「立宮なりのけじめだろ。追わなくていい…てか、追うな」

レンの手に力が入った

「あたし、先輩を追い詰めてしまったのかな?」

「いや。だってもともと立宮に非があったんだ。それに気がついたんだろ」

レンが先輩の小さくなっていく背中を見送った

先輩が路地で曲がると、レンがふっと頬笑みを見せた

「良い顔してんじゃん」

ぼそっとレンが呟いた

「え?」

「なんでもねえよ。今の立宮なら、平気だろ」

「どういう意味?」

「そのまんまだよ。それになあ…もともと立宮には、お前に愛情なんかねえんだよ」

「ええ?」

レンがあたしの額にキスを落とす

「俺を追い詰めるための手段というか…作戦というか、だ。俺を赤のチョーだと知っていてやったことだ」

先輩、優しかったよ?

数日前のレンに比べたら、ずっとやさしくてあたしを想ってくれてたと思ったのに