『契約彼女』

「ワイン、ありがとう。

明日の夜とか顔だすね。」

玄関で見送るとミズキが笑った。


「おぅ。」

後ろ手に手を振って階段を降りて行く。

湿気を含んだ夜気が頬に触れる。

かたんかたんと足音だけが残った。


「じゃあ、ワイン冷やしてとー。」

せっかくだから今夜彼といただくことにして。

あたしは煮物の味を確認して火を止める。

あとはゆっくりしよう。