彼女―サキちゃん―を待たせてる先輩に場所を変えさせる時間もなく、仕方なく部室前のベンチに腰をかけた。
先輩といられる時間は
…たったの3分
時間がない。
分かってるけど、なんて切り出したらいいか分からない…。
話を聞く側の先輩は、あたしの言葉を待ちわびるかのように
いや
「早く彼女のもとに行きたい」と急かすかのようにあたしの横顔を見ている。
それを思うとまた胸が痛む。
ほんとは
もっと長く一緒にいたい
あの日……作戦を考えた日に
話せなかった分、今話したい
少しの間でも独り占めしたい
だけど
サキちゃんがいる以上
あたしが先輩の側にいられるとすれば、マネージャーとして…
それ以外の理由では
そばにいられない…
あたしは、大きく深呼吸する。
