Secret Heart




何かあったのは明らかで



でもあたしに何ができるのか、分からなくて




ましてや
あたしに先輩が助けられるかも分からない…





『どうしたらいいの?』




部室の外でただ、先輩の元気のない姿を見ているだけしか出来ないなんて…




自分の無力さを
改めて思い知らされる。






「なんやねん、相変わらずしけた面とんな。」



突然の声に振り返ると、そこには瑛司の姿があった。




なんでこいつはいつも
一言余計なんだろう。





『うるさいなぁ…
どうせ可愛くない顔ですよ。』



いつもなら「瑛司に言われたくない!」とか冗談も言えたりするんだけど、今はそんな気分になれない。





「…ちょっとこっち来い。」



瑛司は少し眉間にシワを寄せて部室からあたしを連れ出した。



いったい何だって言うんだろ。


気分も乗らず、ただ腕を引かれるままに瑛司についていった。