ガラガラッ
「おつかれー。
今日の掃除大変だったろ?」
『え、先輩?
どうしたんですか?』
けがをしたのかと、慌てて救急箱を探す。
「けがはしてないよ。
もう部活終わったんだ。
…だいぶ掃除大変だったみたいだな。」
先輩はチラッと部室の外の、砂の山に目を向けて申し訳なさそうに肩をすぼめた。
『先輩のせいじゃないですよ!
あたしがサボってたのがいけないんです。』
「俺らも気をつけるよ。
これからも頑張ってな。」
そう言って、あたしの頭を撫でてくれた。
胸がきゅーっと締め付けられるのが分かる。
素直に何かに対して謝れる先輩は、すごいと思う。
そしてやっぱりあたしは
先輩が、好き…
そう感じさせる。
その後はすぐ部員が帰って来てしまって、甘い余韻に浸るヒマもなかった。
