「頑張りや?
ちゃんと見とってやるから。」
目線を合わせて見つめるその瞳やその声があまりにも優しくて
…少しドキッとした。
けど、そんなこと知られたら瑛司はまた調子に乗るから
ちょっと照れ隠し。
『別に見てなくてもいいし。』
なんとも可愛くないこと言ったあたしに「生意気。」と言い残して瑛司は、最後にくしゃっと髪を撫でて部室に入って行った。
『もう、なんなのよ。』
くしゃくしゃになった髪を、手でサッと直す。
口では小言を言いながらも、心はほかほかとした気分だった。
瑛司の言葉は、いつもあたしを勇気づけてくれる魔法の言葉。
さっきまでの緊張と不安の糸が少し緩んだ気がした。
