Secret Heart




―――……




どんなことがあっても、やっぱりあの時間はやってくる。





『落ち着け、あたし。』




そしてやっぱり部室の前で立ち止まり、大きく深呼吸。








「また帰るつもりなん?」



突然の声に静かに振り返ると、そこにいたのは瑛司だった。



その顔には、バカにしたような笑みが浮かべられていて




…ちょっと腹が立つ。





『帰りませんー。
もう大丈夫だもん。』




ほんとは怖い…


足がすくんで震える。




だから強がってなきゃ


やってられないんだよ。






えっへん!と胸を張るあたしを見て瑛司はさっきとは裏腹に、フッと優しげに笑った。



そして、手を伸ばしあたしの頭を優しく撫でる。