Secret Heart




「ねえ陸人。
今度はうちと一緒に出かけようね。」



「じゃあ映画でも見に行くか?
今面白そうなのやってるし。」



ふいにサキちゃんが言った言葉から、あたしの前で楽しそうな会話が繰り広げられる。


恋人達にはごく普通の会話。



だけどあたしは
見てるのが辛いだけ…





どうして?


あたしは…
普通の恋愛をしちゃだめなの?



付き合って

メールして

電話もして

デートして


一緒に笑いあったり

一緒に泣いたり…




望むのはただそれだけなのに。






なんだか悔しくて、悲しくて


あたしは拳を作って、痛いくらいに爪を食い込ませた。





「陽菜ちゃん、どうしたの?」



その時ちょうど話が一段落したのか、あたしの様子に気付いたサキちゃんが心配そうに顔を覗き込んできた。