「瑛司ならもう部活行ったよ。用事があるんだって。」




瑛司が用事なんて珍しいな。




『えー、今日も一緒に行こうと思ったのに。』



あからさまに落ち込むあたしを見て、凛ちゃんはニヤリと笑った。




「そんなに瑛司と一緒にいると先輩に変な誤解されるよ?」



『なにが?』



訳が分からず首を傾げるあたしに、凛ちゃんは呆れるようにため息をついた。




「だからー、瑛司と付き合ってるんじゃないかって誤解されるってこと。」



『あたしと瑛司が?
ないない。あんな女ったらし、ぜったいごめんだよ。』




あたしは、先輩みたいな純粋な人がいいんだもん。




先輩と付き合えたら、きっと毎日幸せなんだろうなぁ…。