*DEAI*

「きゃっ!?」
誰かに水をかけられた。
「ちょっと、なにすんの??」
「あぁ、悪ぃ。ってか、ちゃんと前向いてないのも悪いんじゃね??」
「でもだからって、かけないでよ!!どうせ、ワザトでしょ??」
「そんなに言うなら、証拠は??」
「そっ・・・、それは・・・」
私は昔から、強い口調で言われると、言い返せない性格だった。だから、なかなか言い返せなかった。
するとーー。
「おい!!何イジメてんだよ!!」
「榎本 正輝」・・・私の初恋の人ーー・・・。
「何??関係ぇ~ねぇ~だろ!?」
「関係大あり。プールで女の子イジメてんじゃね~よ!!可哀そうだろ??」
「んだよっ!!カッコつけやがって・・・」
そう言って、ヤツらはどこかに行った。
「--・・・っ・・・あ・・・」
彼は振り向かないで、どこかに行ってしまった・・・。
「・・・あっ、あの!!」
私はつかさず彼を呼び止めた。
「何??」
まさか立ち止まってくれるなんて思ってなかったから、何から話せばいいか分からなかった。
「えっと・・・」
「助けた事??気にしなくてもいいよ」
「え・・・・・??」
”気にしなくてもいい・・・??”
いやいや、私がよくないからっ!!
「・・・ぁ・・・りが・・・・と」
私は、消え入りそうな声で言った。
「え??何??聞こえない」
「・・・ありがとう!!」
言った・・・。ーー言っちゃった・・・。彼はビックリしている。ーー当たり前か・・・。
「・・・。ん」
「えっ??今、何て・・・」
「あぁ~!!もうっ!!」
彼は頭をクシャクシャにして、後ろを向いた。
”もしかして・・・怒らせちゃった??”
いろんな不安が私の心の中、頭の中をグルグル回っていく。
そして急に彼が口を開いた。
「大丈夫だった??」
「う・・・うん」
「そっか。・・・またイヤなことされたら、俺に言えよ!!」
「っえ・・・。」
そう言って、彼はどこかに行ってしまった・・・。
でも、顔が熱い。太陽の日差しのせいでも、日焼けのせでもない。顔が赤い原因は・・・。彼の言った言葉のせい。
”「またイヤなことされたら、”俺に”言えよ!!」”の、一言。
私は今、小学6年生。恋がしたいお年頃・・・??
私は・・・。

恋を、した。