「ごめんね。今までありがとう」 そう言ってアタシは歩き出した。 拓哉からの返事はなかったけど、背中に視線を感じる。 携帯のキーホルダーをはずす。 振り返らず、ただ前だけを見て歩いていく。 拓哉。あなたとの日々は 楽しかった。 つまらなかった。 安らいだ。 苦しかった。 愛された。 愛せなかった。 その思い出は今も、アタシの記憶の中に刻まれているよ。