渋谷に1人である少女が歩いている。

ケータイを片手に震えながら。

PIPIPIPIPIPI~♪

ビクっっ

彼女はそっとケータイのディスプレイを見る。

《木ノ下 光》

キノシタ コウ

その名前を見て、固まる少女

PI

「も…もしもし??」

[涼香??]

スズカ

そう呼ばれる声が電話ごしに聞こえる。

その声が

光が

「こ…光」

[今どこにいるの??]

「し…渋谷だよ」

[誰と??]

「1人」

[本当??]

怖い………

彼女は震える


冷たい声が響いた。


彼の存在が怖い


「ほんとだよ?!」

[なんで俺を誘ってくれなかったの??]

光が怒っている

[ねぇ、聞いてる??]

光が呼吸を荒くしているのがわかる。

「ごめん…ここ電波悪いから、あとで掛け直す」

[ちょ…涼香?!]

乱暴にケータイを切って、涼香は焦ってその場を立ち去った。