「亜由美はオッケーだよ。」

しばらくの沈黙の後、亜由美が口を開いた。

「亜由美は慶たんの事大好きだから。有紀さんが……考えたくはないけど、もしいなくなったら……亜由美が一緒にいてあげたい。凛だってそうでしょ?」

亜由美が私を見る。

「うん。……でも……。」
私はうまく答えられないよ。

負けたくはないけど、亜由美をライバルにはしたくない。

すると、有希さんは私の考えを見透かしたように

「いつか、いつかの事よ。ずっと先かもしれない。その時になったら二人とももっと大切な人がいるかもでしょ?だから、いつか、慶太があなた達のどちらかを選んだ時に決めて欲しいと思っているの。」

「慶太が選んだ時に……」
「そう。その時にね。」

有希さんは私達の顔を見渡して

「変な事言ってごめんなさいね。さぁ!今日はこれくらいにして、あとは明日にしましょ!」

と、笑って席を離れた。

残された二人は顔を見合わせて、笑っていいのかどうすればいいのか解らない顔で首をかしげた。