無口な王子様

そして、クリクリした緑の目はとても愛らしくもあり、ミステリアスでもある。
頬は、淡い赤で色白の肌をさらに引き立てていた。

「雪乃っていうお名前にピッタリだわ。」

有紀さんがそう言うと、優奈は嬉しそうな顔をした。
「私、友達が少なくて。だからこの子が一番の相談相手なんです。」

雪乃ちゃんを見る優奈の目はとても優しくて、本当に愛情を持って接している事が分かる。

「お人形は不思議なものだわ。いくつになっても女の子の友達でいてくれるのよね。」

有紀さんがそう言った時、私はふいに幼い頃大切にしていた人形の事を思い出した。