Ⅰ.二日間の彼女



先輩は遠い目をして、真っ青な空を見上げた。




「この海、アンタと来たコトあるよ?俺。」


「…先輩と?」




なに?この海なら、いとことか、家族となら来たケド……。


先輩と……?







「ハハハ、覚えてないか。」


「…はぃ。」




どんなに思い出しても、この海を見て浮かぶのは家族の笑顔。



「そりゃ、そうか。
実は小学生の時に会ってんだよ。アンタと。」


「小学生の時…」