先輩は遠い目をして、真っ青な空を見上げた。 「この海、アンタと来たコトあるよ?俺。」 「…先輩と?」 なに?この海なら、いとことか、家族となら来たケド……。 先輩と……? 「ハハハ、覚えてないか。」 「…はぃ。」 どんなに思い出しても、この海を見て浮かぶのは家族の笑顔。 「そりゃ、そうか。 実は小学生の時に会ってんだよ。アンタと。」 「小学生の時…」