自転車は30分くらいかけて、カシャンという音と共に動きを止めた。 ザアァ―……ザザン… 「さぁ、着いた。」 「…ぇ?」 自転車が止まった場所。 磯の香りが立ち込めた、隣町の海だった。 「…先輩?」 「ん、何で海かって?」 あたしを自転車から降ろして、砂浜へと足を運ぶ。 あたしの聞きたいコトを止まった時間に残して………。