―バシャッ、バシャッ あたしが学校を出て、数十メートルくらい歩いた頃。 「亜美ちゃん!!」 あたしは聞き覚えのある声に、振り向いた。 「胡王先輩……」 先輩は傘をさしながら、あたしに駆け寄ってきた。 「…あの、どうしたんです?」 「いや、あのね…優太が中等部の校舎から出ていくのが見えたから、亜美ちゃんと話してたのかなって思って…」 それだけで、わざわざ胡王先輩があたしの所に?