「にしても、こうやってのんびりすんのも久しぶりだな」 私の頭をそっと撫でて、明は言った。 「色々あったもんね」 「まあ、名探偵のおかげで事件はポンポン解決だけど」 名探偵…か。 でもよく推理小説の名探偵は、事件を解決する度、悲しそうにするって描写があるでしょ? それって、結構分かるなあ。 この真実を紐解いて、誰が幸せになるんだろうって考えちゃうもん。 「何だよ…しんみりしちまってさ」 「別に。明には、分かんないよ」 「真実が見えれば何か変わる、きっと」