「ん…と、何だろう」 「おい」 明は深くため息をついた。 そして、続けた。 「ノープランだったなんて言うなよ?買い物したいって言ったのは、雫だろ?」 「そ、そうなんだけど…」 ああ、どうしよう。 何も思いつかなかったって言ったら怒るよね…。 「思い付かないなら仕方ないか。公園デートにするぞ」 先程のお返しと、言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべ、顔を少し赤くしながら、人混みから離れる。 私の手首をしっかりと掴んで。 ――可愛い、なんて言ったら怒られそうだから言わないけど。