「まあまあ、落ち着いて」



葵さんが殴りかかりそうな俺を止めてくれた。



「すいません…」


葵さんは肩を叩くだけで何も言わなかった。



「あ、まさか共犯?まあ…何でもいいから古屋氏の居場所を吐くか、警察に行くかしなさいよ。生憎ここは圏外みたいだし」

携帯を確認すると、確かに圏外だった。


「知らないわよ!」


宏美さんは耐えきれず、声を荒らげた。



「雫?」


さっきから黙ったままの雫に声をかけた。
雫はずっと俯いている。
まさか…泣いてはないよな。



雫の無実は晴らしてやるからな、絶対に。