――翌日。 事務所に待ち合わせた私達は、最後の打ち合わせをしていた。 「指紋照合キットは、ありますか?」 「ばっちりよ!その他、血液照合やら、成分分析も出来るわ」 「見つからないように工作もしてます?」 「えぇ、手帳に見えるでしょ?」 宏美さんは、私にそれを手渡した。 確かに、手帳にしか見えない。 これなら、大丈夫だろう。 「葵さん、明、頼んだ資料は見つかりました?」 「春岡亮…ヒットしましたよ…しかし」 葵さんは、言いにくそうにしている。