〜深愛〜届かぬ手紙〜

キョトンと
してしまった私に


『さっ、タケル待ってるから行って』



お母さんは私の肩を
クルンとドアの方へ向けた


『また来ます』



お母さんが背中越しに
「ぅんぅん」と
頷くのが分かった。



『じゃあ…』
と、ドアを開け振り向いて私は言った。




優しく微笑むお母さんに…




『…メリークリスマス』




名残惜しい空気の中
私はドアをゆっくり閉めた




小西が待つ車に乗ると


『…ありがとな…』



『ん?』



『あんな
はしゃいだ母さん見たら
ちょっと…
嬉しかった…』



『うん…
アタシも、嬉しかった
逢わせてくれて
ありがとね』



『珍しく素直じゃん』

小西が私の頭をグシャグシャ撫でながら笑った。



『やめてよぉ』


急に恥ずかしくなった