『…俺、お前のそうゆうトコ、キライじゃねぇよ。』



その瞬間、
私はブランコの揺れを
止めてしまった。




『からかってんの』



真顔で言った。



『からかってねぇよ。
俺、いつかお前と、
この公園のブランコ、一緒に乗りてぇなぁ〜って思ってた。』





…意味が分からない。





『何それっ?アタシっ そんなにヒマじゃないからっ』


自分でも
ビックリするくらい
声を荒げていた。






気が付くと、
私はブランコを降り、
真っすぐ前へと歩き出していた。


一度も振り返る事なく…。


何に
そんなに怒っているのかも分からずに。



あんなに
会いたくて
やっと会えた小西を残して