産婦人科を出ると、
私は今まで感じた事のない、喜びを噛み締めていた…




マンションに戻ると
小西に何て伝えようか…と考えながら、気が付くと無意識にお腹に手を当てる仕草…




小西の帰りを心待ちにしながら、部屋に飾ってある写真立てを眺めていた…



ひとつは結婚式の
写真…



もうひとつは
幼稚園の時に撮られた
幼い二人の写真…




私は、どっちに似た子が生まれるんだろう…と思いながら、子供の頃の写真立てを手に取った…






『…ん』




私は、写真立ての後の板が少し浮いている事に気付いた…