カミーユが心配して探してくれたことが嬉しかった。

娼婦と楽しく過ごしているだなんて、ちょっとでもカミーユを疑ったことを後悔した。

「ごめんね、カミーユ。疑っちゃって…」

思わず口にしたセリフにカミーユが眉根を寄せた。

「なんだ、それ?」

「ううん!でも、よく鍵なんて手にいれられたね」

ごまかすつもりでそう言った直後、カミーユは少し得意げに笑みを作った。

「まぁ、ね。女なんて腰を優しく抱きよせて…」

そう言いながら、わたしの腰を抱きよせる。

「甘く耳元で囁けばたいてい堕ちる」

耳元で響くカミーユの甘い声。

……ドクンと高鳴る心臓。

「…って、騙されないんだから!!」

狭い地下室にバシンと響く破裂音。

「てぇ…ミシェル、これに堕ちないなんてまだまだ子供だな」

叩かれた頬をさすりながらからかうカミーユにわたしは言い放った。

「カミーユの毒牙にかかるくらいなら、子供でいいですよ~だ!!女を誘惑ばっかりして最低!!」

「最低ね…オレには最高の褒め言葉だね…お前ほんと面白い…くっく」

腹を抱えて笑うカミーユになんだか妙に悔しくなる。

……絶対に、絶対に、カミーユなんかに誘惑されないんだから…!