†神様の恋人†

「わたし、神様を信じているの。神様はどこかに必ずいて、わたしを救ってくださるわ」

自分に言い聞かせるように話す彼女。

もう少し、彼女の話を聞いてみよう、そう思っていた。

女だとバラすにしても、彼女の警戒心をもう少し解く必要がある。

「…あなた無口なのね。ねぇ、あなたは神を信じる?」

あくまでも無表情で話す彼女に、わたしは微かに笑みを作った。

「ええ。信じています。神は必ずここにいると」

「あなたはなぜわたしに指名を?変わり種を求めるのはたいてい女を食べつくし、目も肥えた男だって決まっているの。あなたは…そこまで遊んでいるようには見えないわね」

「それは……」

どう説明しようか迷っていたその時。

エリザが音もなくわたしの首に両腕を回してきた。

…う、どうしよう!?

「あ…あなたはなんで娼婦なんてやっているんですか…!?」

慌てて質問したわたしをエリザが腕を回したままじっと見つめる。

数秒の沈黙。

ま…まずいこと言ったかな…?

不安になっていると、エリザは突然クスクスと笑い出した。

「…ふふっ…あなた本当に純粋なのね。そんなこと聞いた男は初めてだわ。たいていはわたしの話なんて無視よ」