廊下を出て、すぐに体から力が抜けたように壁に寄りかかった。

「……っく…」

涙が溢れてきて、止められない。

口の中にまだ残るお酒の残り香。

「…いまのって…キス…だったのか…な?」




神様、まだ恋を知らないミシェルは、とても哀しいキスをしました。






ジャンヌには言えなかった。

正義感溢れるジャンヌなら、絶対にカミーユを許さないから。

ジャンヌまでカミーユに何かされたらと思うと怖かった。

その夜は、毛布にくるまって声を殺して泣いた。