２階へ上がると、廊下は二股に分かれていて、わたしとジャンヌの部屋と反対方向の廊下の一つのドアが開けっぱなしなのが目に入った。

「開けっぱなしだ？何かしてるのかな？」

目を凝らして見た瞬間、開け放たれたドアから男性の足が少し出ているのが見えて、わたしは慌てた。

どう見ても倒れているように見えたのだ。

「ど…どうかしたんですか！？」

助け起こそうとドアの前まで駆け寄った時、わたしは勇んで駆け寄ったことをとんでもなく後悔した。

部屋の中で倒れているかと思ったその人は、床に座って長い足をドアの外に投げ出しながら、わたしを“待っていた”のだ。

カミーユは不敵な顔ですぐさま立ち上がる。

逃げようとしたけど、もう既に掴まれてしまったうしろ手をどうにもできず、わたしは叫び声をあげようとした。

「……ふっぐ…！」

でも、すぐにカミーユの手が伸びてきて、わたしは口を押さえられたまま、部屋の中へと引きずりこまれた。

……どうしよう……めちゃくちゃ怒ってる……！！