ドンレミ村の北、およそ17キロ。

そこに、ヴォークルールという街があった。

この周辺は、イギリスと同盟を結ぶブルゴーニュ支持派であったが、このヴォークルールという街だけはフランス王太子シャルルを支持していた。

1428年。

ブルゴーニュ派の中隊長リュサンヴゥルとヴェルジが、このヴォークルール周辺を攻撃した夏。





―――――王太子を支持していたドンレミ村にも危機が迫っていた。