警護隊はカミーユを含めて、皆20代そこそこの若い者ばかりだった。

伝令使だけは30代といったところだろうか。

森の中に入ると、全員で輪になって座った。

4名の警護隊の中で一番若いらしいファビオという青年が、自分の戦争での武勇伝を熱く語り出した。

それにつられて他の者も、熱心に語り出す。

カミーユはわたしの向かいに座ったまま、じっと下を見つめていてさっきから一言もしゃべっていなかった。

……変なの、いつもはもっとしゃべるのに。

なぜカミーユがわたしたちに同行することになったのか、この1ケ月ちょっといったいどこにいて何をしていたのか、聞きたいことはいっぱいあったけど、聞ける雰囲気じゃない。

カミーユは銀色の甲冑の上部を脱いで胴衣になると、その場にゴロンと横になった。

「少し休ませてもらう」

一瞬全員が沈黙したけど、ファビオが明るく沈黙を破った。

「そうだ。少し休まないとあっという間に夜になってしまうぞ。さ、ジャンヌ様もミシェル様もここに毛布を敷きますからお休みください」

男性たちとは少し離れた草むらに毛布を敷いてくれたファビオにわたしたちは礼を言って、横になった。

……すぐそばでカミーユが寝ている。

そんなことだけで、わたしの心は動揺し乱れて、なかなか寝付くことができなかった。