約束の日、借りてきた大きな車を覚が運転して迎えに来てくれた。助手席には春くん、後ろには礼と亜季、広海が乗っていた。広海はサングラスをかけて眠っていた。 「きのうも夜中まで仕事だったんだって」 眠る広海の隣に座った私に、礼が小さな声で言った。 久しぶりに見る広海の顔は、少し痩せたように見えた。投げ出された左手の薬指には、春に会った時と同じように指輪がはめられていた。 広海を捕らえて離さない指輪を見ていると、泣きたくなってきて、私は窓の外をじっと眺めていた。