転校して来て、一週間たった今も


相変わらず隣人の人気は衰えない。




彼は誰にでも優しいからだ。




なのに何で



ーー『夜深に一目惚れしたってこと』




あんなこと言ったんだろう。




あの言葉が本当なら、何で私だけ特別なんて思ったの?





「夜深?」



「わっ…」




呼ばれて気づいたら、唯人君の顔が目の前にあった。



「もう授業終わったよ?なーにしてんのっ?」



ニコニコした顔で私を見つめてくる彼は何の悪びれもなさそうな顔をしている。




「…かっ…帰るの!!」



本当…



調子狂う…




「じゃあ~…送ってくよ!」



「はぁ?結構です!!」



「何で?嫌だって言われても俺は送ってくよ。」


「嫌だ!!」



「俺はそれが嫌だ。」



「っ~~…もう!勝手にすれば!!」



「うん。勝手にする。」



もう……何なんだ。