偽造彼女

ケフェウスは『この世界』は面白いのだという。

どこがどう面白いのだと昔聞いてみた事がある。

相変わらず良く分からない、疑問だらけの答えが返ってくるだけだった。

僕は首を傾げた。

そう言えば、あの時死んだ、冷凍ネズミを摘んで遊んで捨てたのもケフェウスだ。


カツン。

何時の間にか、ケフェウスが消えた空間の中、忘れていたチェス盤の女王を持ち上げる。

──相変わらず、僕はひとり。

銀河のほとりで、見知らぬ小鳥を食べたまま。