あまりの楽しさに、少年は本来の目的を忘れていた。
「あ、お父さんのところに行かなくちゃ・・・。」
呟いた。
するとだ。少年の自由は奪われた。勝手に飛んでいく。目の前に見えた電柱も、友達の家も、そして遊んでいた神社も小さくなっていく。すごい速さだ。瞬きした時には、小さすぎて見えなくなっていた。
「た、助けて・・・。」
さっきのように飛ぼうとするが適わない。
ついには雲を突き抜けていた。