「で、なんなの?」

背を向けていたルキ君はくるっとあたしの方を振り返る。

「うん、あのね、楓風邪ひいたんだって~。見舞い行ってあげてくんない??」

・・風邪?

「サボりじゃないの…?」

「最初はさぼりだったけど、今はリアルに風邪ひいてんの!不思議だよね!バカが風邪ひくなんて!」

そう言いガハガハ笑う。
それでも友達か…。

風邪ひいてたんだぁ…。

「ってゆーか、何であたしがお見舞いに行かなきゃいけないの?」

「えぇ~?だって彼女じゃん?彼女の役割果たさなきゃ~」

あたしはいつからあいつと付き合ってるんだ??

「いやいや、付き合ってないし!」

「でも、将来的にはそうなるじゃん??」

将来的とか…意味がわからないですよ!!

「はい、これ住所!よろしくねん♪」

それだけ言ってさっと姿を消した。

これって…行かなきゃいけない空気??