「やっぱばかじゃん?」

なっっ…

「だったらあなたはここで何してんのよ!」

「あ?昼寝だよ。それに俺はあんたじゃない。」

あぁ言えばこぉ言う。まさしくこれ?

「あたしだってばかじゃない。」

「だったら名前なんだよ。」

「ひかり、だけど…。」

甘い匂いが近づく。男の香水。

「俺、楓。」

そう言って顎を持たれ…
チュッ
…どころではすまなかった。楓の舌があたしの口へと入ってくる。

なっなっな゛ー!!!!?
必死に離そうとするがなかなか離れない。

息が出来ないくらい苦しい。

楓の胸を叩く。

「んっっんー!!」

やっと離れた唇。

いたずらっぽく、自分の唇を舐める。

「このくらいでギブだなんてまだまだだな。」

違う、そういう問題じゃない。

あたしの初キス!

好きでもない男に、無理やり…しかもディープ!!

ありえない…。

「今のはほんのお近づきの印ね。じゃぁね、ひかりちゃん♪」

背中を向け、ひらひらと手を振って行ってしまった。