心のどこかで私は、健二のことを恥ずかしいと思ってた。 透みたいに、背が高く、かっこいいわけじゃない。 ファッションセンスも悪く、さえない男。 一緒に街を歩くなら、透のような男の方がいい。 それでも、純粋でまっすぐな健二を、私は好きになった。 その気持ちは、決して偽りなんかじゃない。 それなのに私は、自分から告白するのが嫌だった。 振られるのが怖かった? いや、違う。 怖かったんじゃない。 恥ずかしかったのだ。