「ハロー」

美穂はにっこり微笑み、手をひらひらさせた。


や……やられた!


美穂と健二も、実は裏でつながっていたのだ。

二人は知り合っていないと思っていたけれど、そうではなかったのだ。

そもそも観覧車で引き合わせようとしたこと自体、美穂の差し金だったのだ。

美穂は私に協力をしているように見せかけつつ、本当は早紀側の計画を遂行していたのだ。

つまり、美穂は二重スパイのようなことをやってのけたわけだ。

まんまとやられた。


「どうやら、うまくいったみたいですね。早紀さん」

「ええ。おかげさまでね」

美穂と早紀は満足げに微笑んだ。