「そういうことだったのか!」 残った透が、自分の太ももをパチンと叩いた。 「どおりで観覧車に乗ろうだなんて、おかしいと思ってたんだ」 透には事態が飲み込めたようだ。 「ちょっと、透。どういうことなのよ?」 やっと質問できる程度に頭の中が整理された。 「あら? あなたたち、知り合いだったの?」 連れの女が、いたずらっぽく口をはさむ。 「え、いえ、その……」 「もう、いいだろ。そのへんで」 透が彼女をいさめる。 「うふふ。ごめんなさい」 何? 何? いったい、どうなってるのよ?