『邪心を隠して近づいた目的はなんだ!!


返答次第では命はないぞ!!!』




流石一国の王だ。
威厳に満ちた声でクルトを追いつめるが、

鋭い眼光に怯むどころか、楽しそうに笑うクルト


誰もがその状況に口を挟む者はいなかった。



《フフフ…バレちゃったか…旨く騙せると想ったのになぁ~!?


俺はこの辺で退散しますよ!?


では、聖姫様またお逢いしましょう》



美琴にウインクして
素早く姿を消し去った。




「カイル逃がして大丈夫なのかよ!?」



『大丈夫だ!!心配ない。』



「後々面倒な事にならなけりゃいいけどな!!」



『式神を放った。

だからそんな心配する必要はないぞアラン!!』


「もう~なんだよ!!

いつの間に式神を使ったんだよ!」



『美琴にウインクしている時にな』



二人は複雑な想いで苦笑する



『美琴に危害を齎す奴は誰であろうが許さない。』




『やっぱり私が狙われていたのね?


ずっと作り笑いで何か企むような目が気になっていたから…………

私の思い過ごしだといいなって

皆さんに紹介すればクルトの様子を

冷静に見極める事が出来ると想って……』



悲しそうな目をして笑う美琴が痛々しくて
見ていられない


“大丈夫だよ”と言っているように
カイルはポンポンと優しく美琴の頭に手を乗せた。




「美琴様は凄いです。

クルトのあの天使のような笑顔を
作り笑いだったなんて

私全然分からなかったです。」



美琴に尊敬の眼差しを向けるサリーは目が輝いていた。