美琴とカイルは食事を終えて、これから執務室に向かう所だ。
『此処が執務室だ。入るぞ!!』
カイルが、ドアを開けて一人でどんどん行ってしまうので、慌ててカイルの後を追った。
「カイル遅かったな!随分ごゆっくりな御帰還で!?」
アランの如何にも、待ちくたびれた様に
呆れながら溜め息を吐く
『アランさん!!!
あの…遅くなってごめんなさい!!!
私が食べるのがノロいからカイル待っていてくれたから……カイルにも、アランさんにも迷惑かけて、わたし……わたし…』
瞳を潤ませて今にも大粒の涙が零れるのを必死に我慢し、黙り込んでしまった。
『……馬鹿が!!』
「あぁァ~!? 俺~?
おれか?俺が泣かしたのか~!!?? 」
カイルは盛大な溜め息を吐いた。
優しく美琴を抱き寄せ頭を撫でながら耳元で囁く
『お前は悪くない。アランのことは気にするな!?』
カイルの胸に顔を埋め頷いた。
(カイルにギュッと、されると安心する。
暖かいし、良い香りがする)
「美琴…悪い!!俺、泣かせるつもり全然なかったんだ!
ちょっとカイルを、からかってやろうと想っただけなんだ。
………………………ごめん!!」
アランがシュンとして項垂れた。
(二人共優しい人、今までこんな扱いされたことないから
どうして良いのか分からない。)
美琴は、戸惑いながらも仲直りしたくて、アランに顔を向けて微笑んだ。
「…ッ!!…/////」
(その不意打ちは、ないだろ!?)
『アランさん、ごめんなさい!!』
「ぁ~!!イヤ俺の方こそ…」
二人顔を見合わせてぷっと笑い出した。
「改めて宜しく!!!
アランと呼んでくれ」
サッと右手を差し出した。
『はい!!宜しくお願いします。アラン』
美琴はその右手を取り、握り返した。
仲良くなった アランと美琴だが、カイルは複雑な想いだった。
