お風呂は広かった。何処ぞの温泉か?っていう位、豪華絢爛だった。

お風呂から出ればサリーが真新しい下着と綺麗な水色のドレスを用意して待っていてくれた。



(こんな綺麗なドレスじゃなくても良いのに

お姫様になったみたいだなぁ

着替えコレしかないから着るしかないか!!)




『有難う!』



何か恥ずかしくなって、
お礼を言ってから

そそくさと着替え風呂場を後にした。






『此処は!?』



通された部屋は知らない部屋だった。



「美琴様のお部屋ですよ!


朝食を持って来ますので、ゆっくり寛いでて下さい。」




『えっ!!私の部屋?

そんな…わたしそこまでして頂くわけには…………』



美琴はテッキリカイルの部屋に戻るものだと想っていた。



「カイル様が美琴様のお部屋をご用意するようにと私共はそう伺っております。

ですから美琴様は気になさらずにお好きに使って下さい。」




サリーは美琴にお辞儀をすると部屋から出て行った。



『ぼ~っと立っているのもなんだし、ソファーに座って待っていよっと!』



一人になると急に寂しくなり独り言を言って気を紛らせていた。



コンコン!!



『はい!?…どうぞ………あ!セリーヌさん』




「失礼します。


美琴様の身の回りのものは揃えてございます。
他に必要な物が有りましたら、遠慮なく申して下さい。」



『分かりました。

あのセリーヌさん
「セリーヌとお呼び下さい」

あの…セリーヌ?…カイルは今何処にいますか?』


ちょっと呼び捨てに戸惑いを感じたが、意を決して呼んでみた。


セリーヌはニッコリ微笑みを浮かべ、答えてくれた。


『カイル様は執務室に居られます。昼食は一緒に召し上がるそうですのでその時にお逢いできますよ。