熊より数倍大きい体に
ギラッと獲物を狙う紅目。
獲物をひと咬みで、喰い殺すほどの鋭い牙。
(あれが!?モンスター!!??
ヤダ…!!怖い!!)
ガタガタッと震えだした躰を、自分の両腕で抱きしめた。
「皆さんお強いですから
美琴様は、心配しないで
私と待っていましょう!?」
震える美琴を抱きしめて、
背中をポンポンと叩きながら
囁くイリュウ
(カイル……みんな……
神様みんなを護って!!)
美琴は、両手を胸の上に
合わせて皆の無事を祈り、
カイルの戦いを見ていた。
カイルに切り裂かれて
フラフラになってるモンスターが
今にも倒れそうだ。
ガルルル《ハヤク…デテイケ…》
(?…だれ?私の頭の中で話し掛けてるのは?………
まさかモンスター!!)
グルルル《ココハ…ワレラガ…マモル…モリ》
(ヤッパリ!!
モンスターだ!!)
『さぁ~!!
お遊びはお終いだ!!』
『カイル!!
止めてー!!!
殺さないで!!!』
カイルがモンスターに、トドメを刺そうと
叫んだ時に
美琴が遮った。
