教室の中には、もうほとんど全員新しいクラスメイトたちがいた。私達が、いや、舞花が入った瞬間、一斉に視線が向けられた。
だけど、舞花はなにも気にせずに席についた。
やっぱり、舞花は有名人だから。31HRから39HRまで9クラスある。しかも、一クラス40人くらいだから、1学年で360人くらいいる。そのなかでも、舞花みたいな格好をして、先生達に毎日のように注意されてるのは1人だけだから。悪目立ちするんだ。
この学校で、舞花のことを知らない人なんているんだろうかって感じだ。
私も、教室に入って自分の席に着く。最初は、出席番号順だから・・・・・。
「あ、小林さん。おはよー。」
席に着くと、隣からいきなり声をかけられた。
「えっ、・・・あっと、小宮くん。おはよー。」
驚いて隣を見ると、私の隣の席に小宮直輝(こみやなおき)。
猫っ毛で柔らかく、細くて、自然の茶色い髪。その髪の毛を何気なく立てている。
大きな目、整った顔立ち。頭もよく、運動神経もいい。私達の学年で一番もてる。
まあ、顔は置いておいて、小宮くんの髪の毛は何度見ても好きだなと思ってしまう。
この髪の毛を見ていると・・・・・・・・・・
「小林さん?」
「えっ?!あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた。」
「また同じクラスだね。よろしく。」
「うん、よろしくね。」
そう、小宮くんとは2年生のときも同じクラスだったんだ。
教室の中を、見渡すと知っている人が何人かいて、ほっとした。
今年はついてるな。担任は、板ちゃんだし。舞花と同じクラスだし。小宮君、萩田君、高野さん、倉山さんっていうもとクラスメイトたちもいたし。

