店長を迎えたのは、真由さんと和也だった。

「店長、お帰りなさいっす。」

「店長、疲れたでしょ。会議の後にこんな事になってしまって。」

店長は、いつもの笑顔で、答えた。

「いや、
あの電話の後が
凄かったんだよ。」

店長はレジ袋を差し出し、みんなで食べながらその時の状況を説明してくれた。

各支店の店長が、協力してくれた事。

社長までが、仕入部に連絡を取ってくれて、花を確保してくれた事。

本社が車を貸してくれた事など。

そういう事から、今回のこのイベントの仕事は、大きなものだっていうのが伝わってきた。

花屋業界も、競争が多いけど、こんなに大きな仕事が、うちの支店に入ってくって事自体が、会社的にも、評価されているのだろう。

「で、今に至ります。
みんな、悪かったな、
大変な思いさせて。」

店長は謝った。

「そんな事ないですよ。」

私は真っ先に言った。

「これも、仕事だから。」

和也も同じだった。

「若い人と仕事を
すってパワーもら
えるもんですね。」

江口さんも笑顔で言った。

「みんな頑張って
くれましたよ。」

真由さんは、みんなの顔を見ながら言った。

「工藤には、市川店
まで行ってもらって
助かったよ。あそこ、
混むからな。」

店長が、和也の肩を叩くと、和也は、

「早く仕事ができた方
が良いかなって思った
だけですよ。」

照れくさそうに和也が答えた。

「さて、
みんなこれからが大変
だけど、お願いします。」

店長が、みんなに頭を下げた。

「頑張りましょう。」

真由さんの一声でみんなが動き始めた。

同じゴールを目指して・・・。