そんな時、店長からの電話が入る。

真由さんに代わった。

「分かりました。
不足の花は・・・・・・」

そんなやり取りを耳にしながら、私は、スタンドと花器の準備をしている和也に合流した。

店長もきっと驚いているだろうな。この状況。

「和也、
後はどれやればいい?」

「あ、それと、これを・・・・・」

「スタンド20、卓上50、
アレンジ50って
こんなにあるの!?」

「そうりゃそうだよ、
ミセス日本の
全国大会だからな。」

「うちだけで
出来るのかしら・・・・。」

私は、ちょっと不安になった。

「大丈夫だよ。
できるさ。
俺たちでな。」

和也もいつになく真剣だった。

「店長が、
都内の支店を回って、
足りないもの調達して
くるって。」

「やった~」
 
私は喜んで言った。

「それなら、
後は準備をしっかりして
おけばいいですね。」

和也は、オアシスを片手に言った。

「そうね、
それまで宜しくね。」

真由さんはデザインを見ながら言った。

そのデザインは、店長と、随分前から話合って決めていたデザインだった。

何度も何度も話し合っていた。

それを知っているから、みんな何とかやり遂げたいと思っているのだった。

私もそう思う。

店長と、真由さんの努力を無駄にしたくはない。

成功させたい。

ただ、それだけだった。