真由さんは電話でやりとりをしばらくしていた。

真由さんの電話の応対が、いつもと違ったように聞こえた。

きっと、そう感じたのは、私だけではなかったと思う。

「どうしたんですか?
真由さん」

私は真由さんに駆け寄った。

何かあったような感じがしたから、嫌な勘かな・・・。

真由さんは、慌てた様子で言った。

『やっぱり、何かあったんだな。』

「コンベンションセン
ターから、明日の予定
の宴会用の花の搬入は
まだかって!!」

「コンベンションセン
ターは来週のはずです
よね?」

私は冷静に言った。

「コンベンションセン
ターの担当が、1週間
繰り上がったって連絡
入れたっていうのよ。」

私たちは見つめ合ったまま動けなかった。

そんな話は誰も聞いていなかったからだった。

その沈黙には、自分は繰り上がった電話など受けていないという主張だった。

確かに、そんな大きな仕事の変更があれば、みんなに伝えるし、

店長が一番把握している事だから。

店長から指示がなければ、誰もが疑いもしないからだ。

本当ならイベントは、予定なら7月30日だった。

今日は7月23日。

「あんなに大きな
イベントが繰り上がる
っておかしくない?」

沈黙を破り、和也が怒り気味に言った。

「確かに私も
そう思う。」

真由さんも和也の後に続いて言った。

「コンベンションセン
ター側のミスかも
しれませんよ。」

私は、真由さんに続いて言った。

一同

「・・・・・。」

「向こうのミス
だったら、俺ら
悪くないじゃん。」

「そんな、
誰が悪いとか言ってる
場合じゃないでしょ。」

真由さんが冷静になって言った。

「そうですよね・・・。」

私も冷静さを取り戻しつつ言った。

「でも、これは、店長
がいないと難しいんじ
ゃないんですか?」

時間は15:00を過ぎていた。

搬入は13:00からだ。

一同

「・・・・・。」