車に花束とアレンジを積み、和也が車を出した。

「それ、
どこで覚えて
きたんだよ。」

ハンドルを握りながら聞いてきた。

私のラッピングが気になるようだった。

私がしたラッピングは、いつか機会があったら試してみようかなって思っていたラッピングだった。

自分で色々考えていたものだった。

その時の私の頭の中に浮かんでいたのは、店長の笑顔だった。

店長が喜んでくれる、褒めてくれる顔。

あの、店長の笑顔が浮かんでいた。

もっと、店長に近付きたい、傍にいたいと思う気持ちからだった。

「美咲、
何も考えていない
ようだけど、
やる時はやるんだな。」

「まあね。
私だってちゃんと
考えてるんだからね。」

私は、さっきの店長の笑顔が頭から離れなかった。

「そうですか、
そうですか。」

和也が茶化したように言った。

そんなやり取りをしながら、配達先に着いた。

「さて、
時間も無いから、
急いで届けちゃおう。」

私は和也を急かして配達に向かった。

今日は、自分が一歩前進できた手応えを感じられた1日だった。