そんなやりとりを横で見ていたのは、同期の和也だった。

「美咲、
知らないのかよ。
新人研修でも
言ってたぜ。」

「そんな
覚えないよ~。」

私は口をとんがらせながら言った。

「あ、美咲は、
この話してる時、
よだれ垂らして
寝てたっけかな~。」

いたずらに和也が言う。

店長も聞いて笑っていた。

「店長、
私はよだれ垂らして
寝てなんか
いませんからね。」

良い訳にしか聞こえなかったかもしれないと、後から反省。

「うちは、
新人2人いるんだから
頑張って
もらわないとね。」

店長が優しく言った。

「もちろん、俺、
頑張りますよ。
で、賞金とかって
あるんですか?」

ちゃっかり和也は店長に聞いた。

「それは、
今度の店長会議で
決めると思うから、
待っててくれな。」

『社内コンテストか・・・。
何だか面白そうだな。
頑張ってみようかな。』

私は、一つの目標に向けて頑張る決心をした。