私の配属先は、千葉のぞみ店―――

店舗研修が無かった店舗だった。

店舗研修がなぜ無かったかというと、

支店は都内が9割を占めていて、千葉は含まれてはいなかったのだった。

『千葉は
地元だからいいけど、
どんな所かな・・・』

ちょっと不安のあった私だったけど、同期で新人研修で仲良くなった、瑞希と楓がちょうど声をかけてきた。

「美咲はどこだった?」

瑞希が私と楓に聞く。

私は、やっぱりといった感じで答えた。

「私は
住んでいるのが
千葉だから、
千葉のぞみ店だったよ。」

顔を合わせる瑞希と楓。

「私と楓は
都内なんだよね。」

「そうだよね、
2人は都内に住んで
いるから、どこでも
OKだもんね。」

私はちょっと寂しかった。

これは、会社からの辞令だからしょうがないよね。

せっかく仲良くなれたのに離れる寂しさがあったけど、そんな時、瑞希が私に言った。

「私は、1人暮らし
だから、休み会えば、
2人で泊まりに
おいでよ。」

「そうだよ、
そうしようよ、美咲!」

瑞希が嬉しそうに私に言う。

「うん。絶対だよ。
約束だよん。」

こうして私たちは、新たに社会人としての道を歩き始めるのだった。